another side II
風のない夜の森
拡がる深い闇の色彩
その裏側に
底知れない力は潜む
夜、風はなく空は曇っていた。私は、小さな森の入り口にある公園にいた。そこには、ありふれた遊具、空、山、森、枯れ木、落ち葉、砂利、砂、などが見える。私にとっては子供の頃から見慣れた場所で、何の変哲のない風景。あたりは一面に、闇の深い黒と淡い灰色に広がって見えた。
それは、突然に気づかされる。足下の地面からは、地底への無限の拡がりをかんじた。まるで深い海の上に立たされたような地底の方へ限りない拡がり。同時に体の中で何かが湧き上がり、足、胴体、手、頭へと下から徐々に拡がりやがて全身を満たしてしまう。闇の色彩の裏側に、底知れないエネルギーが潜んでいるように思えた。全身に鳥肌が立つほど心が震えた。それまで視界に入らなかったものが生き生きとして現れ、存在するということ其れ自体の美しさがありありとしてひろがっていたのだ。遠くも近くもなく、遅くも速くもない。それ以上でもそれ以下でもない、すべての物が自分と同じであるようなきがした。目に映る物すべてに強い存在感を感じた。砂利の一粒一粒までもが、山と同じくらいの存在感をもって、空と同じくらいの広さを持っている。山や空は、足下の砂利一粒と同じくらいに近くに感じる。
私はしばらくその感覚を楽しんだ。なんだか嬉しくて仕方がなかった。
「闇の色彩」another side IIのためのテキスト
There are times when I sense the beauty of things I never noticed before.There are times when my feelings toward something which I used to percieve as bad change.There was one instance when my entire body shook and my hair stood on end.It was night,and the windless sky was cloudy .I felt in the the dead trees,follen leaves,pebbles on the ground,sand,and everything that I saw around me a strong sense of existence.On the surface,the deep black of the darkness appeared to become grey,I felt that there was a mysterious energy which lay hidden beneath.
MATERIAL
urusi,wood,rubber
SIZE
h2.5×w13×13cm
YEAR
2002